3 想定外の東日本大震災と九州北部豪雨を乗り越えて~防災対策について
質問の大きな3つ目に移ります。

(1) 過去最大の風水害(狩野川台風)からの教訓は
このときの芝川水門閉鎖についてお尋ねいたします。昭和33年9月の住民基本台帳から、人口総数14万9,249人、世帯数3万1,427世帯とあります。被害状況は、被災者数13万8,113人、床上床下浸水の合計は2万9,256戸と資料が残されています。とてつもなく甚大な被害であったわけです。ある元郷地区の方は、「東京を助けるため、芝川水門を閉鎖し川口が犠牲になった」と話されています。私の母は、元郷3丁目生まれでございますが、その記憶によると「数日は2階から出入りし、移動は舟であった」とのこと、そしてこの母の同級生であります金子信男議員さんにも確認したところ、「全くすごい大水だった」と、同じような記憶であります。芝川水門閉鎖の目的は一体何だったんでしょうか。
(2) 県南地区で最大1時間降水量と最大24時間降水量の観測史上1位を更新した場合は
どんな被害想定となるのでしょうか。
8月29日、内閣府が公表した南海トラフ巨大地震の被害想定には言葉を失ったところであります。
(3) 生存率99.8%津波を逃れた釜石市小中学生を教訓に
ア 釜石市教育委員会の取り組みについて
3.11釜石の小中学生を救った釜石市教育委員会の取り組みを研究しましたが、質問アとして伺います。
イ 防災対策の基本とは
大規模地震対策の基本は、住民に対し、避難行動をどう意識付けるかが最大のポイントと考えるが、当局の見解は。
ウ 自助と公的サービス
自らの命は自分で守る、自助の必要性と、次に共助の必要性を全面に出し、それを公助がどうサポートするか、市民に示していくべきと考えるが、当局の具体的対策をお話しください。

◎押田好正建設部長 御答弁申し上げます。
(1)でございますが、昭和33年9月に発生した狩野川台風における芝川水門の操作につきましては、埼玉県立文書館の資料によりますと、荒川の水位が上昇し、芝川の水位を超える9月27日午前6時40分から荒川の水位を下回った翌28日午前0時40分までの18時間にわたり水門を閉鎖していたことが記録されております。このことから、芝川水門の操作は、上昇した荒川の水が芝川に逆流することを防止する目的で実施されたものと推測されます。以上でございます。
◎原田倫則危機管理部長 御答弁申し上げます。
(2)でございますが、本市では国の想定する荒川や埼玉県の想定する芝川、新芝川の洪水想定を参考に、風水害の被害想定をしております。想定されている総雨量は荒川流域は3日間で548ミリ、芝川・新芝川は2日間で411ミリと、過去の最大降水量を上回る雨量による被害想定をしております。これらの雨量に伴い、河川の水位が上昇し、堤防が決壊、または堤防から越流した場合、中央地域、横曽根、南平、青木では2メートルから5メートル、新郷及び鳩ヶ谷の南側地域並びに芝、前川・上青木の一部では50センチメートルから2メートルの浸水被害が想定されております。次に、(3)のイでございますが、地震発生時、自分の身を守る行動実施後、周囲の状況を確認し、屋外に出て、向こう三軒両隣の安否確認を行い、隣近所の方々と一緒に避難することが避難の基本となります。日頃よりいざというときにとるべき行動を常に考え、瞬時に移せることが大変重要なことから、総合防災訓練、出前講座、防災研修会、さらに広報かわぐちやホームページ等、あらゆる機会を捉え、多くの市民の皆さんに避難行動の大切さを理解していただけるよう努めているところでございます。
次に、同じくウでございますが、大規模地震災害が発生すると、被害が広域にわたり、行政や消防・警察等による救助活動や支援物資の提供等の「公助」が間に合わない状況が予想されますので、自分の身は自分で守る「自助」、自分たちのまちは自分たちで守る「共助」が重要となります。本市では、日頃より防災訓練や出前講座・防災研修会等を平常時の公助として位置付け、さまざまな機会を捉え、「自助・共助」の精神の育成を図っております。また、災害時には、地域防災計画に基づき、震災応急対策等、さまざまな活動を実施して参ります。
以上でございます。
◎柴田宏之学校教育部長 御答弁申し上げます。
(3)のアでございますが、釜石市では、主体的な判断と即時避難を心得とし、学校に指導されておりました。本市ではそれを生かし、「自分の命は自分で守る防災感覚」を養うため、緊急地震速報の利用や、休み時間中の避難訓練など、主体的に避難する訓練の実施を各学校に呼びかけております。また、今後予想される首都直下型地震に備え、各校の学校防災マニュアルの見直し等さらなる改善を図り、地域や学校の実態に応じた防災教育の充実を図って参ります。
以上でございます。
◆19番(稲川和成議員) では、数点の要望をさせていただきます。
まず、(1)に関してですが、過去最大の狩野川台風ということで、通告制でありますので事前に職員の方が一生懸命調べてきていただきました。川口市には余り資料はなかったんですけれども、隣接する和光市や県のほうに、これだけ分厚い資料が残っております。答弁の中で3日間で548ミリという話がありました。今年の7月11日の九州北部豪雨、これは1時間で108ミリ降って、24時間で507ミリ降ったわけですね。すなわち川口の過去最大の被害、昭和33年の話ですから、今のこの平成24年と比較するのはどうかと思いますが、しかし、九州北部で降ったということは、この県南地区でも降る可能性は全くゼロとは言えないわけでございますので、そういう想定していなかったのですみませんということにならないように、最悪の想定をして、やはり災害対策、防災対策は、これから組んでいく必要があるのかなと思いますので、その辺、要望をいたしておきます。