2 命を大切にする教育について

◆37番(稲川和成議員) 市長、御答弁ありがとうございました。

 学び直しの機会をつくるとともに、外国人が多いという本市の現状に鑑み、県内初の中学校夜間学級の設置を進めていくことは大変意義深いことであります。校舎も中長期を見据え、財源の確保を考慮し、新校舎を建設する方針とのことで、答弁からも市長の熱意が伝わって参りました。
 今後は、県と連携を図りながら、平成31年4月の開校に向け準備を進めていただきたいと思いますが、市長、実は旧芝園小学校の校庭を利用して地元の少年野球、サッカークラブ、町会のソフトボールなどが活動しております。利用団体への配慮など忘れないようによろしくお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。

 大きな2 命を大切にする教育についてお伺いします。
 先般、市内の中学3年生女子生徒が自ら命を絶つという、痛ましい出来事が起きてしまいました。かけがえのない命が失われてしまったことは、痛恨の極みであり、誠に残念でなりません。亡くなられた生徒さんの御冥福をお祈り申し上げますとともに、御両親をはじめ、御遺族の皆様に謹んで哀悼の意を表する次第であります。
 新聞の報道によりますと、残されたかばんの中には、人間関係に悩むメモが残されており、学校にも相談していたとのことであります。市教委としても全力で調査を行なっているとのことでした。このような痛ましい出来事は、さまざまな要因が複雑に関係し合って起こったと思われますが、少しでもいじめの疑いがあると思われる場合には、できる限り多くの情報を集め、事故が起こった背景や要因を総合的に分析し、慎重に見極めていく必要があると考えます。教育委員会では、いち早く「いじめ問題調査委員会」を設置したと聞き及んでおります。
 本市では、「川口市いじめを防止するためのまちづくり推進条例」を我が自由民主党川口市議会議員団を中心に制定し、市を挙げていじめの根絶に取り組んでいるところであります。今回の件につきましては、学校や教育委員会だけの調査ではなく、国の「いじめ防止対策推進法」に基づくいじめ問題調査委員会で、第三者からの視点も含めて、事故の背景について徹底した調査をすべきと考えます。
 また、御遺族の皆様はもとより、残された友達や学校関係者の心にもさまざまな影響が考えられます。ショックや自責の念を強く感じている人も多いと推察されることから、残された人たちへの心のケアも大変重要であると考えます。これまでも学校においては、命の大切さについて指導をしてきたと思いますが、このような痛ましい出来事が二度と起こらないよう、命を大切にする教育に今後も一層力を入れていく必要があると考えます。
 そこでお尋ねします。

一般質問稲川先生似顔絵 (1)いじめ問題調査委員会の進捗状況について

いじめ問題調査委員会の進捗状況についてお伺いします。

(2)命を大切にする教育の推進について

今後、命を大切にする教育をどのように進めていくのかお考えをお聞かせください。

一般質問答弁用

◎茂呂修平教育長 御答弁申し上げます。

 (1)でございますが、未来のある中学生のかけがえのない尊い命が失われてしまった誠に痛ましい出来事につきましては、亡くなられました生徒の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、御両親をはじめ御家族の皆様に謹んで哀悼の意を表します。
 教育委員会といたしましては、国のいじめ防止対策推進法に基づいた重大事態と捉え、同法に基づき、専門的知見を持った第三者による「川口市いじめ問題調査委員会」を設置し、事実関係を明確にするための調査について諮問したところでございます。現在の進捗状況につきましては、教育委員会が実施した生徒や保護者、教員等の関係者からの聞き取りや、全校生徒に実施したアンケートなどを基に、大学教授、弁護士、臨床心理士、精神科医の4人からなる委員で2回の調査委員会を開催し、調査を進めているところでございます。
 今後は、明らかとなった事実関係を真摯に受けとめ、二度とこのような出来事が起こらないよう適切に対応して参ります。
 次に、(2)でございますが、教育委員会といたしましては、子どもたち一人ひとりの命を守り、事故を未然に防止するための、命の大切さを実感させる教育を一層充実させることが重要であると捉えております。生命を尊重する心の教育は、教育の根幹に関わるものであり、学校の教育活動全体を通して取り組むべき極めて重要な課題でございます。これまでも、道徳の時間を要として、生命の連続性や有限性などさまざまな視点から児童生徒の発達の段階に合わせた指導を積み重ねて参りました。また、本市では、独自に市内全校で健全な自尊心を育成する「ライフスキルかわぐち」を導入し、他の教育活動とも関連を図りながら、子どもたちの生命尊重についての自覚を深めているところでございます。これからは命を大切にする教育に加え、悩みを相談しやすい学校の体制づくりや、相談を受けて的確に対応することのできる教職員集団づくりを一層推進していかなければならないと考えております。
 今後も、保護者や地域との連携を図りながら、かけがえのない命の大切さを実感することができる教育の一層の充実を図って参ります。
 以上でございます。